地産地消で八百屋
~立川南口中央通り商店会~


 商店街活性化のキーワードのひとつは「連携」。市民やNPO、大学との連携による地域課題の解決、地元農家や地方都市との交流促進による双方の経済活性化、ローカルな商店街を舞台にグローバルな環境問題に大型店と協働で取り組むなど。いずれも外部との連携によって、商店街の不足資源を補完し、さらには相乗効果を発揮しようとのねらいだ。ヒト・モノ・カネをつなぐ架け橋となることで、コミュニティ力および商店街活力の増強につなげる都内各地の商店街を追った。

新鮮、安心な“食”拠点
 地元農家との農商連携により、20年ぶりに商店街に八百屋を復活させたのが立川南口中央通り商店会(竹尾信昭会長)だ。地産地消の農産物直売所「みどりっ子」店内には、まだ朝露を含んだずっしり重いキャベツ、青々と葉の繁った大根、立川名物ウドなど約30種がずらりと並ぶ。店の壁には「私たちが生産しております」との50名超の地元農家の笑顔が並び、手書きPOPには食材の紹介やお勧めレシピも。開店前から店頭に行列ができるなど、連日250名超の地元客を集めている。


朝採りの地元新鮮野菜は夕方に売切れになることも

 同拠点は、東京みどり農業協同組合(JA)と地元商店街、立川市の三者が協議を重ねて企画・開設した商店街空き店舗活用事業の一環。地元産野菜の直売や食育啓発拠点との位置づけの下、昨年11月16日に新装オープンしている。商品面では、地元産限定ながらも、JA側の全面協力により充実した品揃えを確保。朝採りならではの鮮度と生産者の“顔が見える”安全安心な品質で人気を集めている。
 今回は、酒店の倉庫となっていた1階150平方メートル、2階80平方メートルを活用。都の新・元気を出せ!商店街事業を活用した「農商連携型空き店舗活用事業」、国のふるさと雇用再生特別基金事業「地産地消推進事業」により、開設時の改装費や今後の家賃等について助成を受けている。
 相次ぐ周辺への大型スーパー出店や、都内有数の大型店集積を誇るJR立川駅から徒歩5分の立地環境により、同商店街では生鮮三品店が徐々に姿を消してきた。それだけに、地域住民の日常支える“食”機能の復活は商店街にとって長年の悲願。今後は同拠点との連携イベントや、地場野菜との連携による個店の新商品開発、地元飲食店でのコラボ・メニュー提供など、「商店街会員店舗の売上げ増につながるような仕掛けも凝らしていきたい」(竹尾会長)との方針だ。
 今年4月にはこの「みどりっ子」隣接スペースに長野県大町市の物産館もオープン予定。さらに2階会議室を拠点活用しての、多摩地域の大学との連携企画も進行中。地産地消を皮切りに、商店街と地域をつなぐ拠点として今後幅広い機能を発揮していきそうだ。