花がつなぐ市民と街
~永福町商店街振興組合~


 商店街活性化のキーワードのひとつは「連携」。市民やNPO、大学との連携による地域課題の解決、地元農家や地方都市との交流促進による双方の経済活性化、ローカルな商店街を舞台にグローバルな環境問題に大型店と協働で取り組むなど。いずれも外部との連携によって、商店街の不足資源を補完し、さらには相乗効果を発揮しようとのねらいだ。ヒト・モノ・カネをつなぐ架け橋となることで、コミュニティ力および商店街活力の増強につなげる都内各地の商店街を追った。

地域協働で“花咲かせ隊”
 京王線「永福町駅」を降り立つと、鉄道沿線や商店街通り沿い約500個のプランターに、色鮮やかなパンジーやビオラがお出迎え。これは杉並区の永福町商店街振興組合(中島安次理事長)の「しあわせ通り 花いっぱい運動」の一環。商店街が始めた街路美化運動は、地域の幅広い参画を得て、みんなで見守るプランター維持・管理事業へと大きく広がりつつある。
 同商店街の「花いっぱい運動」の特徴は、市民、地元学校機関、障害者施設、鉄道業者など幅広い地域連携体制で支えられてきた点だ。まずは2年半前に商店街が、地元高千穂大学との産学官連携事業としてこの「花いっぱい運動」をスタート。活動を続けるなかで徐々に地域との協働が深まり、昨年夏にはプランターの維持管理を担う市民団体「永福町に花咲かせ隊」も発足。毎日の水やり、花がら摘み、草取り、年4回の花の植え替えなどの作業を市民ボランティア10数名が交代で実施している。
 メンバー以外にも、商店主が店の前のプランターを整備したり、総合学習として地元小学校が植え替え作業を行ったり、水道局が肥料用に浄水場の腐葉土を提供するなど、「プランターづくりを通じて花の好きな市民団体や、ビオトープに取り組んできた小学校、地域貢献のきっかけを求めていた地元事業者などの地域のネットワークが広がった」(中島理事長)との成果だ。
 さらにコスト面でも、商店街のネットワーク力により、地元企業にスポンサーを募ったところ京王電鉄をはじめ地元企業、信金など約15社が協賛。これらスポンサー名は、プランター脇のボードに掲示して、地域貢献を市民にアピールする機会としている。
 来年春には永福町駅の駅舎改装工事が完成予定で、これによる南北通路の実現を機に新たなまちづくり戦略を打ち出そうと構想中。これに合わせて、既存の釣り下げ式プランターを固定式花壇へ刷新しようとの検討もスタート。ここでは「花いっぱい運動」の実績が評価されて、都道部分の緑化については都が、鉄道沿道部分の緑化ついては京王電鉄が、それぞれ資金面で協力する予定だ。地道に地域ぐるみで咲かせた花たちが、大きく実を結ぶ春となりそうだ。