買い物客に休憩所
~矢口の渡商店会~



誰でもトイレや掲示版
 大田区の矢口の渡商店会(佐藤和敏会長)が商店会事務所に開設した「無料休憩処 やぐちのわたし庵」が好評だ。昨年8月の開設から半年、買い物途中の休憩処として地域住民の利用が広がりつつあり、店頭では店主と買い物客の話題になることも。「買い物の場だけでなく地元住民のふれあいの場としての、商店街の機能を強化する契機にしたい」(佐藤会長)考えだ。
 同拠点は、商店会事務所として利用していた通り沿いの約7.5坪のスペースを改装したもの。紺色のノレン「やぐちのわたし庵」を掲げた店頭には、掲示板や情報紙のラック、ゴミ箱などを備え、館内ではテーブル2台やイス、手すりを新設した誰でも使えるトイレを提供。飲食は原則不可で、開放は月曜日から土曜日の午前10時から午後6時まで。開所後・閉所前の各1時間には、地元住民ボランティアがスタッフとして駐在する。


重い買い物池袋を下ろして一休みしやら次の店へ

 店頭掲示板には、商店街情報だけでなく町会、市民サークル情報などが満載。また館内に市民が自由に書き込める「よろず相談ノート」を設置しており、市民との交流機能も果たしている。従来は無人で閉鎖されていた商店会事務所が開放されたとあって、通りの賑わいの演出や安全安心にもつながると好評だ。
 市民との新たな協力関係も生まれた。休憩処のスタッフには、趣旨に賛同した地元住民2名のボランティアが交代で担当。さらに、商店街会員から休憩処内で利用する備品の提供があるなど、住民、商業者がともに支える拠点として定着しつつある。
 利用状況としては、現在のところ地元住民同士の待ち合わせや買い物時の休憩処としての利用が中心。とくに高齢者や妊婦、子連れの主婦層に好評で、近隣の新築マンションに新規流入している若手ファミリー層の集客にも寄与しそうだ。
 今回は館内・トイレの改装費用および備品購入費用について、都の新・元気を出せ!商店街事業の都・区による3分の2補助に加え、無料休憩処として開設したことに伴い、区が6分の1相当分を割増補助。今後の休憩処運営費についても、区が一部補助する予定だ。
 区内には、同じデザインの紺の日除けノレンを掲げた無料休憩処が各地で稼動中。これまでに長原商店街、雑色商店街で開設されており、今春には日の出銀座商店街の新商店街会館にも設置される予定。「やぐちのわたし庵」には来年度を見据えた他商店街の視察もあり、今後も無料休憩処のネットワークが区内に広がりそうだ。