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元気な街づくり
~観光対応編~ |
| 政府の7月の中国人向け観光ビザ(査証)発行要件緩和により富裕層から中間層へと発行対象が拡大され、中国人観光客が急増することが予想される。なかでも仲見世商店街では、5年前の中国版デビットカード「銀聯カード」導入を皮切りに、商店街および各店主向けの観光対応力強化策や災害対応プロジェクトなどを展開中。日本を代表する観光集客型商店街の取り組みに、外国人観光客を商機につなげる秘策を探る。 |
| 銀聯カード46店舗で導入 |
| 雷門をくぐって仲見世通りへ入ると、各店頭のPOPやトイレ案内掲示には各国語が並び、商店街の案内放送では日本語に続いて英語、韓国語、中国語が聞こえる。そんな外国人観光客多数が行き交う通りで、とりわけ中国人観光客が注目するのが、彼らにとってなじみの深い「銀聯カード」ロゴマーク入り店頭フラッグだ。現在、同商店街の半数超の46店舗が同カード専用端末導入済みとなっている。 「銀聯カード」とは中国の銀行が発行したキャッシュカードで、銀行口座から即時決済を行うデビット機能が付いているもの。中国人のクレジットカード普及率は低い一方で、この銀聯カードは21億枚が発行済みとクレジットカードより一般的。海外旅行時の人民元の持ち出し制限もあることから、中国人観光客を買い物客として迎えるうえでは欠かせない決済手段と言える。
同商店街では全国に先駆けた5年前、商店街としてこの「銀聯カード」に包括加盟。その後、中国人の訪日観光要件が緩和されるにつれて、取り扱い件数も増加。なかでも昨年7月の訪日個人旅行の解禁後は、月平均取り扱い件数262件と2.5倍へ急増しており、今回の緩和後にはさらなる件数増が見込まれている。 |
| 自前で講習会や対応マニュアル |
| 浅草地区における中国人観光客の購買行動の特徴としては、「本国への土産品を50、60個など大量にまとめ買いする」といった傾向が強い。それだけに、「銀聯カードを使える街としてアピールすることは、中国人観光客を惹きつけるうえで大きなアドバンテージ」(稲葉和保会員)。銀聯カードの加盟店増強に加えて、北京や上海の空港でも銀聯カード利用可能店マップを配布するなど、そのPRにも注力している。 こうした決済手段の充実に加えて、店頭での外国人客への対応力強化も積極的に支援している。各加盟店には銀聯カード案内用の中国語マニュアルを配備したほか、一般的な買い物時のやりとりを指差しで行える独自のマニュアルの整備や、飲食店には外国語メニューの作成も支援。中国人観光客対応にテーマを絞り込んだ講習会も設定するなど、会員の取り組み意識向上に努めている。 |
| 伝統や安心で“買い物+α” |
| 今後の課題は「仲見世商店街だけではなく、浅草地区全体としての観光対応力を高めていくこと」(冨士理事長)。昨年度には浅草地区全体を対象として、内閣府による「外国人観光客の安心向上プロジェクト-災害時にも安心おもてなし-」も実施された。これは地元商店街が所属する浅草商店連合会はじめ観光団体などが主体となり、災害対策面から観光地としての安心・安全機能強化を図ろうというもの。安心ガイドマップの作成や避難誘導サインの設置に加え、「したまちコンシェルジュ講習会」では観光客の災害時の誘導や救急救命ノウハウを習得。受講した約50名の商店主に「したまちコンシェルジュ」認定証が授与されている。 「身振り手振りと電卓があれば“買い物”自体は成り立つが、それに加えて祭りや伝統についても語れるように店主のコミュニケーション力を高めて、“買い物+α”を提供していきたい」と冨士理事長。日本を代表する仲見世商店街ならではの、ハード、ソフト、そしてヒューマン・ウェアの商店街強化策に今後も注目したい。 |