|
元気な街づくり
~地域連携編~ |
| 地元に伝わるかっぱ伝説にちなんだ「かっぱの里」を掲げ、各店頭に愛嬌たっぷりのかっぱモニュメントが多数目に付くかっぱ橋本通り公西会。恒例の七夕祭りで賑わう通りが、このほどツタの絡まるルーバーが連なった“緑のモール”となって彩を添えている。雨水を利用したエコでユニークな試みは、梅雨期の雨と店主らの愛情をたっぷり注がれて、ほどなく訪れる暑い夏に涼しい緑のオアシス空間を提供してくれそうだ。 |
| ひさしにタンク |
| 今回の景観整備事業の特徴は、商店街の街路に必要とされる雨・日差しを避ける「機能性」や、地域性を盛り込んだ「景観性」に加えて、雨水利用や緑化など「地球環境配慮性」が凝らされている点だ。各店頭ひさし上部には、つる植物のプランターと雨水タンクを配備。プランターが渇水するとセンサーが点灯し、柱裏側の栓を回すと雨水タンクから給水できる仕組みとなっている。 植栽から約半年を経てプランター植物は徐々に成長しつつあり、ひさし上のルーバーにツタが絡み付いて自然の“緑の日よけ”が街路を涼しく演出している。このほか各店舗外壁には据付け型の照明が設置されたほか、通り沿い65店舗軒先には弁柄、もえぎ、生成りの江戸3色の可動式テントも設置されている。 今回は都の地域連携型モデル商店街事業の指定を受けて、個店負担となる可動式テント部分等を除いた総事業費1億5,000万円について、都が5分の2、区が2分の1を助成している。 |
| 商店主と市民でグリーンリーダー |
| 今回の事業実施に先駆けて昨年11月には、商店街として区条例に基づく景観協定も締結した。これは約240メートルの商店街通り沿いの土地・建物の所有者・管理者の合意を要するもので、ハード整備に環境緑化を盛り込もうとの前例のない趣旨だけに当初は賛否両論となった。しかし景観協議会を設けての地道な合意への努力が実り、最終的には「かっぱの皿の乾かない環境づくり」のテーマの下で環境緑化を進めて、来街者が楽しんで歩ける「オアシス」をめざそうと一致団結している。 さらに今後は、植物を景観としていかに維持管理していくかが課題となる。まず、ひさし上のプランターについては、専門事業者に委託して、3カ月に1回程度の植え替えやメンテナンスを実施していく。その委託にかかる年間約50万円程度については、緑の維持費として各参加店が負担する予定だ。
一方で、日常的な給水作業については、地元商店主や町会関係者を募って「グリーンリーダー」を組織化しており、定期的な巡回や各種エコ関連イベントも企画しようと検討中。環境緑化活動を機とした地元住民と商店街の協働も進みそうだ。 |
| 商店街正面にスカイツリー |
| こうした商店街の取り組みに呼応して、個店の自主的な動きも出てきた。景観協定締結後、その趣旨に即したファサード整備を行った店はすでに5、6店舗に上り、店頭へのプランター設置も増加。さらに「かっぱの里」に合わせて各店が業種に応じたオリジナルかっぱグッズを売り出すなど、「東京スカイツリーの絶好のビューポイントを持つ商店街として、今後は観光集客に注力したい」(森本理事長)考えだ。 こうした“緑のモール”化を機とした活性化事業の成功要因は、「理事長を除く全役員を女性が占める、公西会商店街ならではのおかみさんのパワーとその発想力」と森本理事長。さらなる景観向上へ向けて、3年後をメドに電線地中化計画も推進中。事業を通して得た商店街組織内の結束力、地域との連携力を武器に、観光まちづくりへ一歩大きく踏み出した「かっぱの里」の今後にもぜひ期待したい。 |