活性化へのニューウェーブ
~道案内から“口コミ”受発信まで~


 時刻情報や全地球測位システム(GPS)、非接触型IC技術Felica(フェリカ)など、ますます高度化するケータイの機能を、商店街の情報受発信ツールとして活用する取り組みが活発化している。街・店の情報提供や道案内をはじめ、商店街ポイントを搭載させての来店促進、双方向性を活かした顧客参加型“口コミ”受発信など。今や体の一部とも例えられるケータイをフル活用して、バーチャルからリアルな商店街の店へと集客しようと取り組む都内各地の先進商店街を追った。

ケータで街・店へ集客
 商店街街路灯を媒体として、おサイフケータイ対応型の「まち案内システム」を今春より稼動させているのが六本木商店街(港)だ。支柱のサインボードにケータイをかざしてアクセスすると、マップ上にめざす店舗の位置や当該街路灯からの距離、現時点での営業情報、クーポンなどが取り出せる仕組み。東京ミッドタウンや国立新美術館などへの広域集客を、地元店へと回遊・誘導しようとのねらいだ。加えて今後は情報“発信”するだけでなく、フェリカの情報“受信”機能も活用して「ケータイで各街路灯マップにタッチして回るスタンプラリーなど、回遊性イベントにも応用したい」(臼井浩之担当理事)考えだ。
 

 六本木商店街には街路灯の支柱および電源を活用
したケータイ対応型のまち案内システムが登場

さらに一歩進めて、ケータイの持つGPS機能を活用した道案内を提供しているのが、武蔵野市商店会連合会および吉祥寺活性化協議会のデジタルマップ情報サービス「ムーナビ」だ。街角からケータイでアクセスして店舗検索をすると、現在地の周囲約300メートル圏内の候補店舗・施設を現時点での営業情報と併せて一括表示。ケータイ画面上マップにはカーナビよろしく現地点から店への経路も示されて、店までビジュアルにナビゲートしてくれる仕掛けだ。

店頭タッチで来店ポイント
 さらに来街者が店や商店街イベント会場へと向かうインセンティブとして、ケータイ機能を使った来店ポイント付与サービスも出てきている。
 五反田商店街(品川)がJR五反田駅構内に設置したデジタルサイネージ(電子看板)「五反田わんタッチまっぷ」では、ケータイと連動させての商店街ポイント提供システムを昨年末にスタートさせた。利用者は、まずは同サイネージで目的の店舗を検索して、サイネージ脇の専用端末にケータイでタッチ。そのうえで当該店に来店すると、商店街ポイントと互換性のある「来店ポイント」が加算される仕組みだ。こうしてつかんだ来店客のリピート促進策としては、青物横丁商店街(品川)の顧客情報管理システム「あおよこタッチャン」がユニーク。ケータイを店舗の会員カード代わりに活用するもので、参加店店頭のタッチャン専用端末にフェリカ搭載ケータイをかざすと、ケータイアドレスが登録されるとともに来店回数のカウントが始動。ケータイアドレスや来店履歴は各店および商店街単位で管理できて、店舗からは来店履歴に応じたメールクーポン等特典が、商店街からはイベント優待メール等が配信できる。スタートから2年で登録会員1万人超を集める人気ぶりだ。
 さらに商店街コミュニティ・サイトを立ち上げて、ケータイ等での消費者の口コミ発信を後押ししているのが新高円寺通り商店街(杉並)だ。約半年前に、「つぶやき」を投稿・閲覧しあうネット上の交流サービス「ツイッター」を開始。4,000名超にのぼる閲覧登録者向けに商店街イベントや個店の販促活動も始まっており、サイト上では何気ない街・店についての“つぶやき”が続々。「消費者発の口コミは圧倒的に信頼度が高く、商店街エリアで“小さな流行”づくりに有効」(同商店街ツイッター管理者の中澤一也理事)との成果だ。
 日本人のケータイ保有率は世界一で、会話以外の機能を活用する比率も6-7割にのぼる。続々進化するケータイの技術開発動向を視野に入れつつ、個別の商店街ビジョンや客層に応じた情報受発信ツールとしての活用を進めたい。