商店街の帰りは“手ぶら”で楽々
~白山上向丘商店街振興組合~



 大手ネットスーパーが売り上げを伸ばすなか、都内各地の商店街でも宅配事業が続々とスタートしている。【商品調達→ネット受注→電子決済→配達】をITで効率化・標準化する大手スーパーとは異なり、昨今の商店街の宅配事業では、【「まずは商店街店頭に来てもらう」→対面販売→対面支払い→配達】という流れが基本。地元客のライフスタイルに個別対応できる柔軟性や地域密着性を武器とした、商店街ならではのご用聞きビジネス・モデルを追った。

客と一緒に家まで運搬“お助けマン”
 宅配などを担う商店街コンシェルジュ「街のお助けマン」が6月1日に登場したのが、文京区の白山上向丘商店街振興組合(上本邦雄理事長)だ。半径1キロメートル範囲内居住者を対象に、月-土曜(祝休日含む)の午前11時-午後6時に配達受付。「お助けマン」は地元在住の退職サラリーマンだけに、安心して気軽に頼めると好評だ。
 同宅配事業の仕組みは、(1)各店で利用者が買い物・支払い→(2)店主が店頭で、あるいは利用者が直接街頭で、「お助けマン」に依頼・宅配料200円支払い→(3)自宅まで同行して配達‐‐という流れ。近隣他店での買い物品の同時宅配も可能で、常連客であれば各店での電話での宅配受付けにも応じる。


地元在住の「お助けマン」が自宅まで荷物を運んでくれる

 今回同商店街がこだわったのが、「届ける機能」そのものよりも買い物を通じた「交流機能」を充実させること。そのため、指定時間に配達する方式ではなく、荷台に載せて自宅まで同行する方式を採用。「自宅までの道すがらの何気ない会話を楽しみにしているリピーターも意外に多い」など、とくに高齢者に好評だ。
 加えて今後は地域の互助や地元雇用創出など、コミュニティビジネス的な機能も強化していく方針。「お助けマン」は買い物支援以外にも、商店街を随時巡回して道案内や街路の清掃、駐輪車整理なども実施中。「今後も見守りや話し相手、安全安心などの地域ニーズをお助けマンの活動分野として取り込むことで、価格や効率性に勝る大手宅配事業と差別化していきたい」(上本理事長)との考えだ。
 今回の「街のお助けマン」にかかる人件費については、区の緊急雇用創出事業による受託事業として実施。また宅配専用の電動自転車やポスター、チラシ等については、都の新・元気を出せ!商店街事業の支援も受けている。